2018年度 理事長所信

一般社団法人 福知山青年会議所
2018年度 理事長 福谷 圭一郎

覚悟の挑戦
~愛に満ち溢れたJAYCEEであろう~

【はじめに】

_私たちは、何のために生まれ、何のために生き、何のためにこの青年会議所で運動を続けるのか。私は自分自身に問う。
福知山青年会議所創始より、53年に渡り先輩諸兄姉が脈々と受け継いでこられた運動の数々は、「明るい豊かな社会の実現」という私たちの変わらない理念が支え続けてきたものであります。どのような時代の変遷の中にあったとしても、私たちの心の中には変えてはならない理念が継承されるのと同時に、その時代や情勢に合わせて変えていかなければならない運動や活動の進化があります。
_私たち責任世代のまちづくり、ひとづくり、そして地域社会に貢献する団体がJCしかなかった時代からJCもある時代になり、社会貢献の在り方も多様化しました。そのような複雑な社会環境の中にあってなお、私たちは社会や私たちの愛するまち福知山のニーズに応え続けられる青年経済人の同志であり続けたいと願います。社会環境、経済環境が激変する混沌とした時代だからこそ、責任世代の青年経済人である私たち一人ひとりが夢を描き、夢を語り、そして夢を叶え、福知山に活力を与えていかなければならないのです。この夢に挑戦する姿勢こそが、創始の精神「青年よ大志を抱け」を実現することに繋がると私は思うのです。今一度、私たちは青年経済人の学び舎であるこの青年会議所で運動ができる幸せを自覚し、青年会議所運動と活動の意義を信じ、この福知山の未来のために、力を尽くしてまいります。今こそ、JCしかできない運動に、覚悟をもって挑戦する時なのです。

【仲間を増やそう】

_全国的にも青年会議所における会員拡大が急務であるということが言われ続けています。高齢化や生産年齢人口の減少が進む中、社会状況の変化により企業数の減少や、人手不足等の課題がすぐには解決できないことも会員が減少する要因だと考えられます。
_しかし、会員減少の理由を挙げればきりがないこの社会環境、経済環境の中にあったとしても、会員拡大に成功している青年会議所が全国にはあります。松下幸之助翁(現㈱パナソニック創業者)の「経済と経営は違う」との言葉にあるように、いかなる環境にあったとしても私たちの魅力次第で、またマネジメント次第で、(一社)福知山青年会議所としての成果を変えることができると私は信じています。自分自身の魅力を磨き、自分たちの身近な人に、自分たちの関わるすべての人に、JCの魅力を発信し、そして福知山に青年会議所の組織としての拡大手法の仕組みを創り上げ、志を同じくする仲間を増やそう。私たち(一社)福知山青年会議所の会員一人ひとりの運動に対する誇りと、これからも青年会議所がこの社会に、この福知山に絶対に必要な存在であるという信念に満ちた会員拡大運動への覚悟こそが、JC運動を支える根幹であり、礎なのです。そしてその運動の結果、一人でも多くの市民の皆様から私たちの明るい豊かな福知山の実現という理想と運動に共感を得て、ともに手を携えることができたなら、それこそが、私たちの愛する福知山に活力を与え、未来を創る原動力とすることができると確信します。
_本年度、私たちは今一度、創始の精神を呼び覚まし会員47名を拡大目標に、私たちの先輩諸兄姉が築き上げてこられた福知山青年会議所をさらに活力溢れたものにするべく、福知山JCシニアクラブの皆様とも連携を図り、誇りと信念と覚悟をもってこの大きな目標に挑戦します。

【時代を担う責任世代の青年経済人として】

_日本の経済は緩やかな回復基調にあると言われ、日経平均株価の上昇や有効求人倍率は戦後最高水準という状況にあります。しかしながら、都市部の景況感を地域の実態経済で実感できるところまでには至っていないというのが現状ではないでしょうか。
_私たちの愛する福知山は、城下町として、また藍染等の特産品によって栄え、明治末期までに大阪や京都へとそれぞれ鉄道が開通したことで商都として発展してきた歴史的背景をもつまちであります。今もなお、北近畿における商流の拠点として多くの企業が立地する福知山において私たち責任世代の青年経済人は、売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」の精神をもって、自社に関わる企業がともに幸せになれるように企業の経営に尽力しなければなりません。それにとどまらず、私たちは公益資本主義による地域経済活性化の観点からも明るい豊かな福知山の実現を可能とするための広い視野をもった経営力も養わなければならないのです。学び舎としての異業種交流の場を広く活用し、(一社)福知山青年会議所の活動として、今一度、青年経済人としての資質向上、自己研鑽に挑み、それぞれの会員企業の発展に貢献する仲間になることに挑戦します。青年経済人としての資質を高め、企業を発展させよう。

【大人として、教育者として】

_青少年教育を論じる前に、私たちは親として、教育者として、そして一人の人間として人格を備えた人間であるのだろうか。自分自身の愛する子どもに尊敬され、信頼されるに足る背中を見せることができているのだろうか。私たちは、幼少期に描いた夢、また今の自分たちが描く夢に近づくことができているのだろうか。改めて、私は自分自身に問う。
_私たち親世代は、いまだ若輩者であり、青少年教育といいながら結果的には子どもたちに成長の機会を与えてもらっているのではないだろうか。私たちは、親としてもっと学び、子どもたちが未来に夢を描ける社会や環境を創らなければなりません。子どもたちに健全な教育をするためにも、まずは親世代が、人間を学び、子どもを学び、そして教育者として自分自身のあるべき姿を求め続けていくことが、今の責任世代にとって最も大切なことだと考えます。自分自身の一人の立派な人間になるという覚悟が、自分を磨き、道を求め、教育を語るに値する大人になることができるのです。子どもは、大人の日々挑戦する姿に心を動かされ、尊敬するのです。

【新しいまちづくり運動について】

_私たちの愛する福知山は、水清い由良川をはじめとする豊かな自然、物流の拠点「商都」として発展してきた歴史、そして明智光秀が築城した福知山城という歴史的価値のある建造物をもつまちであります。昨今の交通インフラの整備や外国人観光客等の増加で福知山への観光人口が増えている統計も出ておりますが、その多くはこの福知山をより良くしたいという熱い想いや多くの市民の皆様によろこんでもらいたいという想いで開催された事業の数々が支えてきたものであります。元来、福知山の観光人口の多くは大規模な事業による集客によって支えられてきました。この特長をさらに伸ばし、私たちがこの福知山に新しいまちづくり事業を創出し、市内外から多くの方々に来ていただくことができれば、それが福知山の活力の源となり、誇りになると信じ、運動を展開してまいります。私たちが福知山の新しい活性化事業を創るという覚悟をもって、これまでの歴史と伝統に新たな知見を加えた新しいまちづくり事業に挑戦します。

【結びに】

_人はみんな、愛されたいと願って生きています。私も、それを心から願う人間のひとりです。私は今まで青年会議所活動を続けさせていただいているなかで、最も心に刻まれている場面があります。それは、2014年度(一社)福知山青年会議所が創立50周年を迎えた年の12月例会で会員同士が泣き笑いあっていた場面です。その年は本当に大変な一年でした。過去最少の会員人数でのスタート。創立50周年記念式典に、創立50周年記念事業、三日点火の継続事業、そして会員拡大の成功、そんな中で福知山を襲った台風による水害。この水害では多くの同志が私たちを助けに来てくれました。会員全員が、歯を食いしばって、乗り越えた怒涛の一年を振り返った時、達成感と充実感に溢れ、大の大人が感動の涙を惜しげもなく流し、泣き笑いあっていました。そこはまぎれもなく愛で満ち溢れていました。私たちが住み暮らす福知山への愛、ともに切磋琢磨する学び舎である福知山青年会議所への愛、自分たちが必死で行った事業への愛、本当に苦しい時に支えてくれた同志の愛、そして、ともに支え合った仲間たちへの愛。経済優先の時代だからこそ、人と人との関わりの中で、人の心を愛で満たすことがとても大切なことであると私は思うのです。社会を愛し、まちを愛し、仲間を愛し、会社を愛し、家族を愛し、そして自分を愛そう。愛に満ち溢れたJAYCEEこそが明るい豊かな福知山を実現できるのです。覚悟をもって、自分自身に挑戦したその先にしか得られない感動がここにあります。私たち責任世代に求められる使命は多く、たやすく叶えられるものはありませんが、そのすべてを単なる夢物語で終わらせるわけにはいきません。いつの時代においても、まちに活力を与えるのは責任世代の青年経済人である私たちです。自らが源となって、福知山を活力に満ち溢れたまちにしよう。
_来年、福知山青年会議所は55周年という節目の年を迎えるのと同時に、私たちの同志であります(公社)日本青年会議所近畿地区京都ブロック協議会主管の京都ブロック大会の開催地となっております。次年度は多くの方々に、この私たちの愛する福知山の魅力を感じていただけるよう、本年度私たち(一社)福知山青年会議所は、青年会議所運動を通して、仲間を増やし、会員一人ひとりの資質向上に覚悟をもって挑戦します。会員全員が明るい豊かな福知山を実現するべく、大志を抱き、目的・目標意識を高く持ち、三信条【奉仕・修練・友情】を通して、成長できる一年にすることをここにお誓い申し上げます。

 

基本運営方針

  • 会員の拡大目標の達成
  • 青年経済人としての資質向上に関する研修の実施
  • 人としての自己研鑽に関する研修の実施
  • 新しいまちづくり事業の実施
  • 積極的な広報活動によるJCブランドの構築
  • 堅実な組織運営の実施
  • (公社)日本青年会議所、近畿地区協議会、京都ブロック協議会の事業や大会への積極的な参加